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農業版ワーキングホリデイ(援農)の仕組みを研究するページです

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〒646-0001 和歌山県田辺市上秋津4558-8

わーほり体験記 NEWS

 このページは、実際に農家に入りワーキングホリデーを行った方々の感想なり意見をそのまま載せています。これからワーキングホリデーを受け入れてみようという農家の方は不安があるかと思いますが、その不安をこのページ解消できるかとおもいます。初めての受入より、2度目の受入がより感動がましていたり、作業がスムースに行ったりするのがわかってきます。あなたもワーキングホリデーを受け入れてみませんか?

[2014年度の体験記はこちら][2015年みかん収穫時]

2016晩柑時期のわーほり

2016年3月14日〜16日&17日


(S.T)和歌山大学観光学部 2回生

今回のワーキングホリデーは、私にとって三回目となります。梅の収穫、稲刈をワーホリで経験しましたが、今回はバレンシアオレンジの袋かけでした。ただ袋をかけるといっても、邪魔な枝を切りつつ、黒くなっている実を取り除きつつ、また急斜面での作業だったので思ったより大変でした。毎回、どんな作業も私にとっては新鮮で楽しいですが、同時に農家の苦労も感じることとなりました。昨年上秋津で梅の収穫をしたときは朝が早く、梅が重くてさらに出荷の時間も限られているというものすごく忙しくて大変でしたが、今回はそれに比べると落ち着いていました。しかし、袋かけを1日半させてもらいましたが、それでもこれだけしか進まないんだ…と、衝撃でした。
 三日目の直売所の詰め合わせ作業のお手伝いができたのが、とてもよかったです。普段は学生が数名で来ても別々の農家に入るので他の人が何をしているかはわからないし、夜に少し話すしかできないですが、今回はみんなでの作業があったので他の農家さんやきてらの方ともお話をすることができました。また、これまで戦略論等で上秋津の地域づくりについて学んできましたが、今回地域の方々が一致団結して作業をしているのを目の当たりにしてこの地域のつながりの強さを感じました。丸一日の作業で大変でしたが、みかんの見分け方や、毎年人気のきてらセットの苦労など様々なお話を聞くことができ、得たものが多かったと思います。
ワーホリは、毎回いってよかったと思えます。できたら次はもう少し長く参加したいです。


(T.I)近畿大学農学部 2年

3月14日から17日、秋津野ガルテンにて農村版ワーキングホリデーを行いました。
秋津野へは今回が二度目の訪問ですが、前回とは大きく異なることがあり、それは他大学の学生と共に過ごすということでした。私は今まで全く繋がりのない人々と三日間過ごすという機会がなく、また人見知りしてしまうこともあり、かなり不安でした。しかし、それは一日目の夜で瞬時になくなりました。とても楽しい方々ばかりで、三日間しか過ごせないのが残念なぐらいでした。またいろんな経験を持った方々だったので新しいことも多く知れ、自分にとってとてもいい経験になり、ほんとに最高の出会いになりました。新しい出会いってとても大切なことだとも再認識させられました。
今回、I.Kさんの畑で働かせていただきました。まず、作業はおろかまた会えることさえ難しいと思っていたので、再会できたことがとてもうれしかったです。初めて来た9月の作業において、ハウスを建てるために梅の木を伐採しました。その完成したハウスを見たときは、手伝えて良かったなと感動しました。そしてお食事までご用意していただき、とてもうれしかったです、ありがとうございます。また今回も実際の現場で行われている技術を学ぶことができました。デコポンの水腐れ防止の「ぶらぶらハウス」や、重さの差よって瞬時に規格を分ける「分太」など、これらのことは実際に目で見ることがほとんどないので、とても貴重でした。そして農家さんとのお話の中でも、大学と農業は繋がっているということも実際に認識できました。私は来年度より植物感染制御工学研究室に所属予定ですが、お隣の農家さんに黒斑病はどうやと聞かれたとき、残念ながら何も答えることができませんでした。研究室に所属しても研究できるかどうかもわかりませんが、なにかしらのことはできるのではないかと思います。それでまた来たときに少しでも恩返しできたらいいなと思いました!!
あと、今回が井上さんがいる秋津野ガルテンに来ることは最後だと思います。また秋津野ガルテンに泊まりこみ(3日間以上?)のワーキングホリデーに来れるような制度が常設化してホームページとかでもわかりやすく応募できたらいいなと思います。次どうやって来たらいいのかなと思いまして。そして井上さんの畑へもお手伝いしに行けたらいいなと個人的に思っています!!
最後になりますが秋津野ガルテンならびに農家方々、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。以上です。


(T.K)近畿大学農学部 2年

果樹の実習で知識が増えたことも今回学んだことの一つでありますが、1番は一度交流した農家さんとまた出会えてつながりを続けていくことができたことであると思います。
つながりを続けていくためには、連絡をとって会うことであると痛感しました。農業を体験して交流をすることだけのワーキングホリデイではなく、同世代との交流で同世代の持っている農業の関心や自分の知らない農業へのこと、また自分にはない経験を持っている世代が離れた農家さんが見据えている農業について話を聞くことができたことで、自分の将来の農業についてより深く考えることができました。
自分自身将来どのような職業につくかまだ具体的には決まっておらず、なにか自分の将来につながるきっかけをさがす目的を踏まえた今回のワーキングホリデイでしたが、いろいろな人と話して農家でも今後の自分たちの農業をどういう風にしたいかわかっていない人もおり、その人と話したとき、したいことがわからないときはしたいことややりたいことが見つかるまでいろいろな人と巡り合い、新しいことを体験し学ぶことで道が切り拓けていけるのではないかと思えました。


(M.O)和歌山大学観光学部 3年

 今回は大学が関わるのでなく、秋津野ガルデン主催で行ったワーキングホリデーに初めて参加しました。秋津野ワーキングホリデーにはこれで3回となります。和歌山大学だと一度入ったことのある農家の方には振り分けされませんが、T・Hさんのお宅に2回目のワーキングホリデーとなり、以前は梅のときだったので晩柑の際の作業はどのようなことをしているのか楽しみでした。このように、同じところにもう一度入れるチャンスをいただけるのは嬉しいことであり、このような形は大切にしてほしいと思いました。
 晩柑のワーキングホリデーはこれで2回目となります。昨年教えていただいたことを活かせるようにはりきって挑んだのですが、初日は生憎の雨模様でした。以前から知っていたHさんは貯まっていた晩柑の注文の出荷を行いました。初めて大きなホチキスで箱を作りましたが、「やっぱり農家の娘さんだね!上手!」と褒められたときはとても嬉しくなり、褒めて伸びるタイプなので、Hさんの私の扱い方が上手だと感じました。この初日の作業で注文の出荷の山場が終わったことを知り、雨の日でしたが、Hさんのお宅に貢献できたことを実感できた作業となりました。
 2日目では、天気は晴れて収穫をすぐすると思ったら、また倉庫で集荷の準備でした。今度はきてらセットで集荷する八朔の数を数えつつ、傷んでいないかチェックしました。数えながらだったので集中しすぎてしまい、なかなか会話ができなかったのは、今後気をつけていこうと思いました。午後からは清見の収穫へ行きました。前回教えていただいた収穫の仕方を覚えていたので、楽しく作業ができました。そこで原さんと岩手の偉人である宮沢賢治の話をたくさんしました。Hさんは昔から尊敬している人のようで私も教科書や宮沢賢治記念館などに行ったことがありましたが、原さんとお話していてまだまだ地元の人が知らなければならないように感じ、もっと調べてみたいと思える一時となりました。
 3日目は、昨日収穫した清見の袋とりをしました。実が大きい物が多く、袋をはがすのに手こずりました。その中でレモンの出荷場に行ったり、きてらセットの八朔を出荷したりと同じ作業をしながらも晩柑の行方を知れたことは大きかったように思います。最後には5キロ分の箱に収まらないくらいの晩柑を入れてもらい、作業した分より多くもらってししまったので、嬉しい気持ちの反面、またお手伝いにきてこの挽回をしようと思いました。
 あっという間だった2泊3日でしたが、またぜひこのような機会がありましたら、ぜひ参加したいと思います。短い期間でしたが、本当にありがとうございました。


(Y.M)和歌山大学観光学部 3年

 上秋津での農村ワーキングホリデー(以下WH)は今回で3回目となりました。過去2回はKさんのお宅でお世話になり、今回は初めて違う農家さんのお宅でした。今回受け入れしていただいた芝翼さんは地域づくり戦略論でもお話する機会が多かったので、自然に作業に進めたような気がします。
 今回私の中で最も印象に残っているのは同世代の人と一緒に作業をしたことです。作業の順序の関係でTさんは倉庫で、私は翼さんおところに手伝いに来ている水原君と収穫作業を行う時間が多くありました。今までにない新しい感覚でした。様々な地域で農村WHを行ってきましたが、今回のような自分と同じ年代しかいない畑での作業は初めてでした。
 少子高齢化社会でさらに若者が故郷を離れる傾向に現在の日本にはあります。私自身現在就職活動を行っており、働く場を探すため都会に出て行く若者の状況を肌で感じているところでした。そのような中、今回の農村WHへ参加して水原君のような今も地元に残り続けている同年代の人と作業をするのは本当に貴重な経験であると感じます。今までは自分の親の世代、祖父母の世代の農家の方との作業だったので、もちろんいろんな大人の方と話をするのは本当に楽しかったのですが、今回のような同年代の人というのもまた違う楽しさがあるなと思いました。農村WHの良いところは作業をしながらの会話にあるといつも感じています。その会話も今までは大人の方から知らないことや知識を教えてもらう時間となっていました。それが普通だと思っていました。しかし今回は同年代ということで話の内容も雰囲気も違い、共感できる内容が多くさらに私とは異なった経験や考えを持っていたので、非常に刺激を受けたように感じました。純粋に楽しかったという思いが残りました。
 今回の農村WHを通して農山村地域に対するイメージがまた変化したように思います。若い人で農山村地域がいっぱいになったら絶対面白くなると感じました。受け入れをしてくださったTさんも比較的若い世代であるので、そのような若い人と交流すると自分自身が農山村での生活などを考えるときにイメージしやすいと思います。
 作業の面では収穫の大変さや難しさを実感する反面、やはり大好きな上秋津の空気を感じながらの作業は非常に楽しかったです。作業中に見上げた空や風の感じなど、前回、前々回訪れた時と変わりなく、実家に帰ってきたような気分になりました。
 今回このWHをコーディネートしてくださった井上さんにも感謝しています。最終個人的に農家さんと連絡をとって勝手にWHが行われることが理想だということに私も共感しました。またそのように地域にいる方から次のステップや方向をなんとなく示してくれると、学生側も行きやすいのではないかと感じます。労働力として助かるとはいえ、農業の知識もないのに繁忙期に覗うのは気が引ける部分も多少あると思うのですが、地域のことをよく知っているようなコーディネーター的役割の方からの声には、一歩踏み出しやすいと私は思いました。今後コーディネーターの方がいなくなったとしても、どのように関わっていけばよいかお互いが理解していればこの取組も継続していくと思います。
 上秋津で農村WHをするたびにこの地域のことが好きになっていきます。受け入れ農家の方をはじめ、井上さんや参加学生など関わってくれた方に本当に感謝しています。ありがとうございました。


(S.K)和歌山大学観光学部 3年

今回で2回目の参加となった秋津野ガルテンでのワーキングホリデー。1回目の温州みかんの時期に、作業を手伝いながら道沿いにあるデコポンやせとかなどの晩柑類の木についても教わっていて、その収穫や選果作業にも興味があったので今回この時期に上秋津に呼んでもらえてとても嬉しかったです。私が今回お世話になったOさんは、地域づくり戦略論やそのほかの和歌山大学の活動のなかではお会いしたことの無い、本当に初対面の農家さんだったので、到着してスケジュールを聞いたときには「学生受入の初回が私で大丈夫だろうか」という不安と緊張が前回よりも大きかったです。でも、Oさんの倉庫についたとき、作業をされていたお母さんが、秋津野ガルテンでいつも私たちの交流会のお世話をしてくださっている方で、しかも私のことをたまたま覚えてくださっていたことで、そこから徐々に緊張が解けていきました。
初日は天気が悪かったので倉庫での作業でしたが、黙々と作業をする時間もあれば、S.Oさんご夫婦が仲良くお話されているのをたのしく聞いたり、また私の個人的なお話もさせていただいたりと充実した時間が過ごせました。二日目からは足元が乾いてから収穫の作業を手伝わせていただき、デコポンの収穫にまい進しました。最初は怖くて木に登っての収穫もできなかったのですが、3日目には「堺から来た子とは思われへんなー」と言ってもらえるくらいには高いところのデコポンも収穫できるようになりました。最終日にはきてらセット搬入までを手伝わせてもらい、箱詰め作業までできなかったのが心残りでした。
いつも思うことですが、農作業は本当に大変です。天気によって作業が滞ったり、作物にも影響がでたり、山の斜面での膨大な量の収穫を2〜3人でこなしたり、どんなスケジュールでまわっているんだろうと思うくらいのスケールで、今の時期だと柑橘の収穫もしながら梅の木の消毒作業があったり、きてらセットがあったり。いまはまだOさんご夫婦が若くて元気でおられるから成り立つものの、やはり後継者問題について考えずには居られませんでした。またお母さんに連れてもらって上秋津周辺を案内してもらったときには空き家が多く見られたり、学校が廃校になってしまうことなどを見聞きして、過疎化の現実を目の当たりにしました。私は大学の講義で農山村の課題について学びましたが、やはり自分が実際に見るそれらはインパクトが違うこと、自分が農作業を体験することで得られるものは文字面で見ていたときより、さまざまな意味を持って私の思考に影響を与えました。ふだん大学から行くワーキングホリデーよりもフラットなものですが、自分の意思で参加したことでバイアスがかかることなくストレートに物事を見て、聞いて、感じることができたと思います。貴重な経験をさせていただいた秋津野ガルテンのみなさま、受け入れてくださった農家のみなさまに感謝しています。また絶対参加したいです。

○改善点について
・受入農家さんは当日でも大丈夫なのですが、 学生への日程などのスケジュールがもう少し早いとうれしいです。
・上記のことと重なるのですが、ごはんどうしたらいいんだろう?
 と毎回思っているので、その点も早めに連絡してもらえると持参することも可能で助かります。
 現地では足がないことと土地勘がないので、食料品を購入することも難しいこともあります。
 また、二泊してみて思ったことですが、朝ごはんをしっかり食べないと力がでないなとも感じたので、食事の件についてもう少しご検討いただけたらと思います。


(Y.I)高崎経済大学 3年

 十二月に続き二回目の上秋津ワーホリ参加でした。今回は学生の参加人数が多く、学生同士での交流もあって楽しく、刺激になりました。二日目の夜に交流会があったことで、受け入れ農家さん以外の農家さんとも会話でき有意義な時間になりました。交流会の時に首から下げる名札があったのは、名前を覚えてもらいやすくすごく良かったです。行くたびに秋津野の取り組みを新たに発見でき、知り合いの農家さんができるのでまた行きたくなります。このような活動でリピーターができるのだと勉強になりました。次回は高崎経済大から誰か連れてこられるよう頑張ります。
 今後、個人で農家さんと連絡を取ってワーホリをするような関係ができていったらいいなとは思いますが、今回のように一度にたくさんの学生が来て交流会などもして一つのイベントとしてやることで、他学生・上秋津住民が周知してさらに多くの参加者・受け入れ農家が増えるのではないかと思います。今後もこのような形でのワーホリも続けてほしいです。
 今回は二泊三日でしたが、ずっとバタバタしていてあまり時間に余裕がなかったように思います。二日目の、「17時作業終了、18時〜交流会」は着替えたりシャワーしたりする準備の時間が短かったので、交流会がもう少し遅くから始まるほうがありがたいです。あと、次回はもう少し期間を長くして学生で観光をする時間があったらうれしいです。
 今回ワーホリに参加し、交流・勉強ができて本当に有意義な時間になりました。ありがとうございました!おつかれさまでした。


ワーキングホリデー事務局レポート

井上 信太郎(わーほりコーディネーター)

今回の農村ワーキングホリデー、株式会社秋津野が単独で企画・運営したということ、複数の大学からの参加であるということ、この2点は初めての試みとなるものでした。
今回参加した学生の所属する和歌山大学と近畿大学はこれまでに何度も上秋津を訪れています。
和歌山大学と秋津野ガルテンの間では地域づくり学校・地域づくり戦略論だけでなく、約3年前からワーキングホリデーの取組がおこなわれてきました。ここ2年間は、和歌山大学側で参加学生を募り、秋津野ガルテン側でも受入農家を募るというスタイルで、大学事務局とガルテン事務局の間でマッチングし、2泊3日や3泊4日のパターンで実施してきました。
近畿大学からは4年ほど前から毎年夏休みにインターンシップとして秋津野ガルテンに約10日間滞在しながら、農家レストランや市民農園の管理など農作業から加工において広く体験するプログラムを組んでいました。昨年からは近畿大学もワーキングホリデーと位置付け、10日間ほど同じ農家の所に出向き農作業する形式でインターンシップが行われました。
どちらのワーキングホリデー終了直前の交流会でも、「また来たい」という声が多く、今回はその「また来たい」と言った学生を中心に声をかけて今回のプログラムを組みました。農家と学生は再会し、さらにガルテンに宿泊し学生みんなで晩御飯を囲むことで他大学の初対面の学生と交流が生まれました。この上秋津のいうフィールドの中に、「上秋津の農家」「観光学部系学生」「農学部学生」が交わることで、「農家×学生」はもちろん、「学生×学生」も繋がる。今年の9月、大学生の夏休みの時期、和歌山大学、近畿大学、龍谷大学の学生を同時期にインターンシップ受入を鰹H津野は考えています。この時に農村ワーキングホリデーを実施するかは検討中ですが、他大学の学生同士(例えば和大1人近大1人の2人ペア)を共に1件の農家に入ってもらい農作業するケースもあっていいと思いました。

全国各地でみられる農村ワーキングホリデーもいくつかスタイルがあり、通年受入を募集している所や、春と秋にイベント的に募集しているところなど、それぞれの地域に合っているだろうスタイルで展開しています。農村ワーキングホリデーという言葉にとらわれなくてもいいのですが、上秋津に合った農村ワーキングホリデーの取組を考えると他にないオリジナルのものになると私は思います。学生が農家の農作業を行い労働力提供するので、農家側はそれに代わる「宿泊と食事」を提供しなければこの取組はつづきません。「農家にて宿泊と食事を提供するのか」、それが難しいのであれば、「学生の秋津野ガルテン宿泊費等を農家が負担」するという提供の形もあります。他にも考えようによれば、いろんなパターンがあるかもしれません。学生の感想文にも書かれているように、ゆくゆくは学生と農家が互いに連絡を取り合って良い意味で勝手に行き来するということができれば良いです。ですが、現段階では今回や今までのような「イベント形式」のプログラムを農家が受入しやすい時期に定めて毎年実施していくことが必要だと思います。それがきっかけとなり自由に行き来してもいいし、毎年イベントとして続けていけば参加学生が変わったとしても「一年に一度の労働力」として農家のあてになる可能性もあります。実際長野県の飯田ではそのように「一年に一度の労働力」としてワーキングホリデー参加者を待っている農家もいます。
その場合、できればワーキングホリデー期間の作業を受入農家があらかじめ用意しておく必要があると思います。例えば天候にも左右されない倉庫の中の作業を準備しておく。もっと具体的に言えば上秋津の場合「きてらセット」があります。
きてらセットの前日や前々日なんかは、出荷農家は必ず出荷する柑橘の検品を倉庫の中でします。今回及川さんの感想に書いていたような「きてらセットにだす八朔の個数を数える作業」です。きてらセット前のこの時期に企画すれば、天候に左右されない作業を準備しておくことはできるかと思います。今回の経験から、これはきてらセット発送日の日程が決まってからワーキングホリデーの募集をかけても、学生は集まると思います。きてらセット以外でもワーキングホリデーの期間に合わせて、「施肥」をやってしまおうとか、倉庫の大片付けをやってしまおうとか、人手が1つ2つ増えるならできる仕事が増えると思います。
一年に一度の労働力も前向きに計画を練れば、上秋津のような果樹地域でも必ずできると、ワーキングホリデー形式ともとれる形で2年間農業研修させてもらった僕は思います。
学生は2回ではなく3回4回と続けて来ることで、もっと農業の現場がわかるようになります。やっぱり現場に来ないと農業や農村のことはわからないと私は思います。受入農家は上秋津に学生が来るのが当たり前にならないように、学生にこれからどのようにして宿泊と食事を提供していくか、これからのことを考えると一番大切なことだと私は思います。これは受入農家ごとで違うと思うので具体的に自分の家で受け入れる時、どんなパターンで受け入れるかをはっきりしていけば、上秋津での農村ワーキングホリデーも徐々に形ができてくると私は思います。




2015ミカン収穫時のワーホリ


(M.F)琉球大学〜秋津野での3週間のワーキングホリデー

 今回、所属する研究室の教授からのご紹介により、秋津野ガルテンで初の試みとなる受け入れパターンで約三週間お世話になった。私が経験してきた他の受け入れ事例も含めて感想をまとめたいと思う。
 もともと私が農業に興味を持ったのは、地元大阪を出て北海道で新規就農した両親の知り合いの家で一週間ほどお手伝いをさせてもらい、都市生活と農村生活のギャップにいい意味でカルチャーショックを受けたからである。当時13歳、一人でほとんど面識のなかった人たちと暮らしを共にすることは、たくさんのエネルギーを必要としたし、それ故目に映るもの、触れる文化に対する発見や感動は大きかった。密度濃い7日間を過ごし、それから数年に一度お邪魔して農の現場に触れさせてもらえたことは、進路選択の際、大学で農業を学ぶという選択肢を私に与えてくれた。
 次に民泊の機会があったのは大学2年次のときに参加した五大学合同ゼミで、広島県の大崎上島において、初対面の学生二人と地元公務員の方の家で一泊お世話になった。農家ではなかったがまるで親戚のように温かく受け入れてもらい、ゼミの終わった後も連絡を取り合ったりはしたが、期間が短かったこと、また共にお世話になる学生とも初対面でそちらとのコミュニケーションも必要だったこともあり、個人的には勿体無い民泊事例だったと感じている。
 昨年4月に大学へ休学届を出し、半年間を過ごしたドイツでは二軒の農家に受け入れてもらった。一軒目は比較的今回に似た滞在パターンで、同じ敷地内ではあるが農家と研修生は離れて暮らしており、作業および朝食・昼食は共にするが、それ以外は研修生同士で協力して自立した生活を送ることがその農家での方針だった。研修生たちは同年代で多国籍であったため、横につながりながら国際的なコミュニケーションを取れたのはいい経験になった。ドイツでの二軒目の農家は日本での民泊とほぼ同じようなシステムだったが、一ヶ月の滞在期間のうちに対象作物の収穫から加工、販売といった農業の川上から川下までの一連の流れを通して経験でき、一番リアルに農家生活に触れられたと思う。
帰国してからの北海道での滞在は、一ヶ月半という比較的長い滞在時間を確保したにも関わらず、四軒ほどの農家をそれぞれ一週間〜二週間転々とさせてもらっていたので、それぞれの農業形態に対する経験や知識はドイツで得たそれには及ばなかった。しかし同一地域内において、農業スタイルの違う農家でそれぞれの生活にお邪魔させてもらい、ここで初めて地域単位で農業について考えることができた。
 これらの経験を踏まえての秋津野ガルテンでの研修であるが、まず大きく違ったのは宿泊場所が農家ではないことであった。ここでの滞在では、今までとは少し角度の違う視点から農業を見つめることができた。生産の現場から一歩外側の場所で、一産業として農業を見つめると、そこには流通業者をはじめ飲食店関係、観光、メディア、教育、マーケティングや会計、健康医療、さらにはデザインといったところまでたくさんの分野の業種とのつながりを認めることができる。またそういった要素とつながれるからこそ地域振興の手段としても工夫次第で十分機能していけるのではないかと思う。先の北海道滞在においては、地域振興を進めていく上で保守派の既存住民と意欲的な新規住民との意識の違いにより生まれる軋轢を意識せざるを得なかったが、ここ秋津野では既存住民が町おこしに対して自ら積極的に活動していることが大きな特徴だと思った。このようにして地域という枠組みからそこに内包される農業を見たとき、ただ自分がしたいということだけでなく、その地域に対して、そこでの農業に対して自分にできること、自分が貢献していけることは何か、今年就活を控える身でそのようなことを考えるきっかけを与えてくれたのがここ秋津野であり、非常に感謝している。
最後に今までの経験を踏まえ、地域による学生の受け入れ形態について私が思ういくつかのパターンのメリット・デメリットを挙げて感想を終えたいと思う。
 まず分岐点になるのが受け入れ人数で、複数の場合さらに知り合い同士か初対面かでも変わってくる。ある程度地域振興や農業に興味のある人たちを別にして、例えば修学旅行のように友達と滞在した場合、その形態がWHか民泊かに関わらず、そこには一種のイベント性が生まれ、楽しかった思い出としては心に残るしまた来たいとそのときは思うが、実際に二度目の滞在につながるケースは少ないと思う。初対面の人との複数での滞在の場合は、特に民泊という滞在形態において、地域の家庭にいながら、受け入れてもらっている者同士でもコミュニケーションが必要になってくるため、その地域にまで視野を広げる機会は少なくなると思う。一方単身で来る場合は、民泊での受け入れとなると完全にその家の文化に自分が入っていくという感覚なので、そこでの暮らしをしっかりと体感することができる。最近流行しつつある「農的暮らし」のイメージもつかみやすくなるので、都市部から農村部への移住を考えている人には良い手段かもしれない。私は今回単身でWHの形態で滞在させてもらったが、もしも約三週間もの時間が全てガルテンを拠点としたものになっていたら、生業としての農業をイメージするには些か不十分な滞在だったのではないかと思う。逆に言えば、農業と暮らしを分離して、仕事とプライベートのうちの仕事部分として農業を捉える(ex.農業法人で雇用契約を結んで働く)ことを経験するには良い滞在形態なのではないだろうか。またドイツでの一軒のように、そこに初対面で複数の人たちが出入りすれば同じ価値観の同年代の仲間と出会うきっかけにもなるし、同じ拠点で手伝いに行く農家が違えば、またそこでもお互いに発見もあるだろうと思う。実際では今回、滞在の合間にある農家さんのもとで宿泊をさせてもらったり、ガルテン滞在時には似た価値観を持つ同年代と知り合うきっかけを与えてもらったりもした。横のつながりができたことで今後の自分の人生にさらに広がりが見えたし、民泊は民泊で、今までの経験もあってかやはり農家生活の中に入らせてもらうと、なんともいえない安心感や、家族との団欒の時間の尊さなどを再発見できた。とはいえ家庭単位での受け入れというとその家庭に大きな負担がかかってくるので、そこのバランスが難しいところだと思う。今回の滞在でいうと、私自身にとっては秋津野ガルテンを拠点とした滞在といくらかの民泊、これらのハイブリッド化で大変有意義な時間を過ごすことができた。何を目的に人を受け入れるかによって、また受け入れる人がどういった目的を持っているかによって、今挙げたように受け入れ形態の向き不向きはあるのではないかと思う。施設の予算や農家の負担など、折り合いをつけるのが困難な部分もあるが、今後今回のような形態での滞在も選択肢として入ってくるようになれば嬉しい。


(Y.M)和歌山大学

 今回私は、Kさんのお宅にお世話になりました。今年の3月にもKさんのお宅でWHをしたので、また会いたいという気持ちが今回のWH参加の動機付けになったと思います。約9か月ぶりの再会は本当に嬉しかったです。以前秋津野で参加したWHが私にとって初めての経験で、先輩と一緒にいながらも不安になることがあったのですが、それから岩手のWHを経験して、今回上秋津に帰ってくると少しだけ自分が成長したような気にもなりました。 私は農村WHにおいて農家さんと交流できることが一番の魅力であると感じています。それもただ会話を楽しむのではなく、同じ作業をしながら会話をするのが非常に良いなと思います。今回は主にせとかとデコポンの袋掛けを行いました。今回の作業を行ったところは非常に見晴らしがよく、静かで、落ち着いた雰囲気でした。普段の生活では味わえないあの空間が私は好きです。また今回のWHはいつもとは違い、比較的フリーなスタイルだったのも良かったと思える要因だったと思います。始める時間も終わる時間も期間もすべて自由だったので、最初から気を張ることもなく自然体で取り組むことができました。他の農家さんのところで新たな関係をつくるのも良いと思いますが、2回目以降の参加であったら、やはり前回お世話になった農家さんに会いたいという気持ちは少なからず抱くのではないかと思います。その場合は対面式などは必要なく、すぐにでも一緒に作業をしたいという思いになるのではと考え、今回のようなスタイルのWHがあっても良いと思えました。今回のWHを通して2回目以降の参加は、受け入れてくださった農家さんであり、その周りの人々や地域に対して特別な思いを抱くことができました。最初は1日しか作業できないのなら参加する意味がないのではないか、と思っていましたが、今は1日でも時間があるなら、行かないよりは行くべきだと思うようになりました。今回このWHに参加して本当によかったです。ありがとうございました。

(Y.I)群馬高崎大学

 今日は初めての農作業体験でした。
 主な作業は選果と出荷(きてら・お煎餅屋さん)です。みかんの樹を見るのも搬入口から入るのも初めてでした。
初めてだらけだったことに加え、Kさん、Yさんなど農家の方との触れ合いが楽しく、あっという間に初日が終わってしまいました。
 私は今まで農家との縁が薄かったため、農業に興味を持っていてもなかなか動くことができませんでした。この制度を利用してここに来れてよかったです。農作業はあと一日しかできませんが、楽しんでやりたいです。

 今日の主な作業は、みかん畑での収穫でした。
 Hさんの農園は柑橘の種類が豊富で、こんなに種類があるのだと驚きました。今まで冬に果物を収穫する概念がなかったので同じ日本でも風土が違うと作物だけでなく、暮らしぶりも違うことを感じました。
 休憩時間に農業のことを中心に様々な話をして、知らなかったことや自分が持っていなかった見方を発見できました。自分自身が都市農村交流を本で勉強するだけでなく、実際に体験することで、今後の行動や研究がより厚みを持ったものになるのだと思いました。今回秋津野に来て様々な考えや志を持った人に会って話すことができて、もっと頑張りたいと刺激をもらいました。ここに来られて本当によかったです。短い間でしたが、ありがとうございました。また春休みに来ます!

(S.K)和歌山大学

 私はこれまで大学の講義などで何度も上秋津に足を運んできたのですが、WHという形で訪れたのは今回がはじめてでした。秋津野ガルテンの研修生であるIさんの声かけのもと、みかんの収穫がピークを迎えるこの時期に、K果樹園にお邪魔させてもらいました。主に選果作業を手伝わせていただきました。みかんの収穫は何度か経験していたのですが、選果作業ははじめてで、すべてのみかんをひとつひとつ人の目で見て、秀・優・家庭用・ジュース用などに細かく分けていることに驚きました。また選果基準も難しく、梱包から出荷までスピーディにこなすにはかなり経験が必要だなと感じました。1日にも満たない短い時間でしたが、K果樹園のKさんをはじめ、FM田辺でラジオDJもされているというYさん、和歌山大学・琉球大学・高崎経済大学の学生の方々とコミュニケーションをとりながらの作業は、癒されたり楽しい時間だったりするのと同時に、自分の未来を考える時間でもありました。みかん農家さんの仕事の流れを側で見て、経験させていただいたことや、秋津野ガルテンのIさんや他の学生さんの活動を聞いていると、自分はこれからなにができるのかといった気持ちに自然となれたし、それは焦りとかではなく、わくわくするもので、今後の就職活動を含めた自分の未来には可能性が限りなく広がっているのだなと感じました。なかなか腰の重い私ですが、自分からなにかしなくてはなという気持ちにさせてもらえた上秋津でのWHでした。

(T.E)和歌山大学

 今回のWHは1日だけの作業でしたが、他大学の学生と一緒に行ったため刺激があり有意義なものになりました。作業内容はみかんの選果で、初めて行う作業で慣れないところもありましたが、梅の選果を経験していることもあり徐々にはかどっていきました。また総勢7名と大人数だったため、人の力が必要な時にあっという間にその作業が終わってしまうことがすごく新鮮で、気持ちも明るくなりました。作業中や休憩時間は他大学の学生とそれぞれの学校での活動、今考えていることや将来のことなど話して、経験を共有する場になりました。それを踏まえて、今自分自身が考えていることをもう一度振り返り、整理できたのですごく充実していました。反省点としては、上秋津に慣れてきたことや学生同士の会話もあり、農家さんに対しての質問が少なかったと思います。次回は気になったことはすぐ聞くというように、初心にかえって頑張ろうと思います。そして、OBである井上さんを中心に、大学を介さないで他大学と交流できる場がつくれるというのは、WHの新しいひとつの形だと感じました。ありがとうございました。

(C.C)和歌山大学

 今回のワーホリに行った農家は以前のワーホリでお世話になった農家でした。
 その方はワーホリの前からつながりはありましたがワーホリの時こそ、本当に仲良くなったという気持ちになりました。また、様々な面倒をみてもらい、お父さんのような感じもしました。
本当に、ありがたい気持ちでいずれかは、もう一回ワーホリあるいは個人的でも手伝いに来れたら良いなと、来たいと思いました。
 しかし、学校のことや生活のことで忙しくて、さらに一人でくることも勇気がなかったため、行きたい気持ちが行動には出にくかったです。
そのころ、このようなワーホリの企画がありますという連絡をもらい本当に嬉しい気持ちで今回のワーホリに参加させて頂きました。
 長い日々は出来なかった為、今日のみの参加でしたが以前のワーホリで感じた人々の温かさ、そして農家の大切さを再び感じる事ができました。
 今日のワーホリの作業はみかんの出荷と収穫をしましたが、みかんの収穫の種類は正月向けの葉っぱ付のみかんでした。種類は正月の飾りやポンズを作るみかんと普通にたべるみかんでした。実は葉っぱ付のみかんは私、見たこともなかったため(あまり興味が無かっただけかもしれません)こういう物も取るんだとおもいながら不思議な気持ちで作業しました。それから、いろんな種類の説明もしてもらい、いつからいつまでがどの種類、いつからいつまでがどの種類という説明もしてもらいました。それで、これからはずっとみかんが収穫できる季節が来たのが実感されましたまた、農家だけではなく、手伝いに来た方々とも話が出来まして私が韓国人という事を知り、韓国に関する話やドラマの話、最近、覚えている韓国語などで話をして頂きました。私のこと、配慮してくださることが感じられました。
 今日は本当に温かい気持ちを再び感じましたので幸せです。
まずは、本当に役に立たない私を受け入れてくださった農家とこのような企画をしてくださった秋津野ガルテンに感謝します
 これからもこのような企画があったらいいなと思いますしあるのなら、また、必ず声かけてください。では、ありがとうございました。
お疲れ様でした。


2014年ウメ収穫時のワーホリ

[2015年度体験記はこちら]

大学院博士前期課程1年(W・F氏)

ワーキングホリデー 出発 今回、二泊三日で行われた上秋津農村ワーキングホリデーに参加して、自然に囲まれた農村の魅力とその地域に痙む人たちの「温かさ」を感じることができたとともに、農村再生手法としての学生による農村ワーキングホリデーの可能性を感じることができたように思いました。
 まず、上秋津地域の素晴らしい自然環境について改めてその魅力を感じ取ることができました。上秋津には大学二年のころからお世話になっており、訪れている回数は数えきれないほどであり、最近ではその素晴らしい環境を当たり前のようにそこにあるものとしてしか捉えていなかったのかもしれません。今回のワーキングホリデーでは梅の収穫作業がメインということもあり山に登っていくことが幾度かあーりました。その道中、ところどころ実をつけたみかん畑に囲まれた風景や山の上の梅畑から眺める景色など、白熱こ触れ合うことによって改めてその自然の素晴らしさを感じ取ることができました。日頃は、勉学のために訪れることが多いのですがく農村ワーキングホリデーを通じて自然と触れ合ったことから得られた視点によつて自然の魅力を再発見できたのかもしれません。日頃当たり前のように感じているものが活動を通して魅力に変わっていくという変化は、まさに農村ワーキングホリデーの「鏡効果」ではないかと身をもって体感しました。
 また、上秋津地域に住む人たちの温かさもこの農村ワーキングホリデーを通じて多く感じることができました。今回受入農家としてお世話になった笠松さん、お母さんからだくさん声をかけていただいてとても嬉しく思いました。私自身梅の収穫・選果という作業はいままで体験したことがなく、何もわからない状態からめスタートでしたが笠松さんが収穫の仕方やコツまで詳しく教えてくださりとても嬉しかったです。お母さんとは、お昼ご飯の際にいろいろとお話することが出来ました。家族の話や地域の話や最近どんなことをしたという話までたくさんの話を聞かせてもらいました。大学に入学してからは一人暮らしをしているため、このようなたわいもない話を食事をしながらするということが減ってしまっていたのですが、まるで家に帰ったかのような気持ちになりとても嬉しかったです。これも、笠松さんやお母さんが受け入れて下さったからこそだと感じています。本当にありがとうございました。
 また、今回の農村ワーキングホリデーを通じて改めて学生による農村ワーキングホリデーの可能性を感じる事ができたように思います。というのも、毎日の作業終わりに笠松さんから作業してもらって助かったという言葉をいただくことができたからです。大の大人でもなく農業を勉強しているわけでもなく実家が農家でもない学生であっても、農家労働力に対する労働力になっているというわけではありませんが微力ながらでも労働力として貢献できるのではないかということがわかりました。たった一度の農村ワーキングホリデーだけではまだまだですがこれを継続して行っていく事で、少しずつ戦力になっていくことができるのではないかという可能性を感じました。上秋津地域で初めての本格的な農村ワーキングホリデーでしたが、この一回きりの交流で終わるのではなくまた今後も継続的に参加していきたいと思います。
 今回の農村ワーキングホリデーでは、笠松さん、お母さん、娘さん、ご近所の方々にとてもよくしていただいて本当に感謝しております。別れ際にまたいつでも上秋津に来た時は家に来いよと声をかけてくださった時はと七も嬉しかったです。是非また伺いたいと思います。本当にありがとうございました。

大学1年生(S・T氏)

 今回の上秋津で過ごした三日間は、これまでにはないほど自分の成長を実感すること ができた。そして、この体験を終えた今、新しい故郷ができたようにも感じる。この経 験は何物にも代えられないとても貴重なものになった。私がこのLIPに参加しようと思ったのは、単純に岩手県に行きたいと思ったからだ。 地元である新潟からそれほど離れておらず、乗北の米どころということもあり、ぜひそ ういった農家さんを見てみたいと思っていた。だから、今回のLIPが始まるまで、農村 ワーキングホリデーという言葉をきいても、正直何のことかわかっていなかった。また、 今回のプログラムも、田辺市に行ってもっと和歌山を知りたいという農村ワーキングホ リデーとは関係のない動機であった。どこに泊まるか、どういった作業をするのかなど わからないことばかりからのスタートであった。しかし、こんなに充実した主日間にな るとはそのとき思ってもいなかった。一日目から活動を振り返る。まずは藤井さんから言われた通り朝7時半のバスに乗ろ うと和歌山市駅に着いた。しかし、誰もいない。このとき大学生の洗礼を受けた。「自分 のことは自分ですること」。急いで切符を買いに行き、無事にバスに乗ることができた。 田辺駅に着くと迎えがきて、着替えて、さっそく受け入れ農家さんの家へ行った。そし て到着するなり梅を収穫する前に紀伊民報の方から取材を受けた。この出来事は一瞬で、 何が起きているのかわからないまま作業に入った。そういった中で、収穫する作業を通 して、自分なりに梅のことでわかったこともある。一つは、収穫の際に力を入れすぎる とすぐに枝が折れてしまうことだ。初めは力加減がわからず、何本か枝を折ってしまっ た。しかし、徐々にコツをつかみ、枝を折ってしまう回数は減っていった。また、梅の 匂いも感じることができた。ももの匂いに近く、どことなく形がすももに似ている印象 を受けた。農業の経験はほとんどなく、初めは力になれるのか心配だったが、笠松さん や藤井さんにやさしくしていただき、少しずつ作業に慣れていくことができた。  お昼の休憩になった。台所へ行くと、カレーが用意されていた。_「人暮らしだとなか なか料理を作らず、買ったものに頼っていた自分にとってこれほどうれしいものはなか った。また、奥さんの厚子さんは、「おばちゃんのところで遠慮しちゃあかんよ」と何度 も言ってくださり、おなかいっぱい食べることができた。  午後からは選果の作業を行った。この作業は、近所の方も手伝いに来られていて、こ こでも農村の良さを感じることができた。そして、この作業はとにかく神経を使った。 商品の価値を決めるということもあるが、同時に梅の人生をも決めるからだ。一日梅を 見ていると自然と愛着がわいてきて、少しでもいい等級になってほしいという主観が入 つてしまっていた。ごろごろと流れてくる梅をみて、かわいそうという悲しい気持らと、 収穫の喜びの両方を感じることができ、複雑であった。時間通りに選果が終わり、トラ ックに積み込むと、いよいよ出荷となった。農協で荷物が下ろされると、一つの達成感 を体験することができた。もらろん今回体験できたのは全工程のほんの一部であったが、それでも笠松さんと共にできたことでこららもうれしい気持らになった。
 秋津野ガルテンに戻ると懇親会が行われた。普段なかなか話す機会がない大学院の先輩や学部の上回生の先輩と話すことができてすごく有意義な時間を過ごすことができた。また、部屋が同じだったSさんからは大学時代のことなどを話していただき、これからの生活で活かせるものになった。
 二日目、この日は農協の休日、そしてあいにくの天気となりほとんど農作業をすることができなかった。朝はみかんにかぶせる紙の整理整頓を行った。すごく地味な作業であったが、丁寧にやるとなかなか時間がかかり、普段おひとりでやられている笠松さんは大変だと感じた。
 お昼はチキンカツとから揚げであった。とても「温かい」家庭的な料理で、実家では両親が共働きで普段こういった料埋を食べられなかったのですごくうれしく、何よりもおいしかった。この日は娘さんもいらっしやつており、厚子さんとテンポよく話す光景から仲の良さが伝わってきて、私まで笑顔になっていた。ここでも「温かさ」を感じた。
 午後は写経を行った。習字をするのは小学校以来で、すごく新鮮だった。一時間半黙つて行う写経は、心が整えられてすごく気持らよかった。こういった農家さんの日常の生活ができるのも、農村ワーキングホリデーの魅力だと感じた。
 夜は受け入れ農家さんを交えての交流会を行った。この交流会が私自身にとって今回のLIPでの一番の思い出になった。まずは秋津野ガルテンの副社長である玉井さんとお話しすることができた。初めは私のような学生に話してくださるのかと隣で不安に思っていたが、ガルテンの仕組みを丁寧に話してくださったり、私の地元の話を興味深く聞いてくださったりした。今後、ガルテンを訪れる際には経営の面などぜひお話をうかがいたいと思った。次にNさんだ。富山県出身ということで、私の地元、新潟県と近いので北陸の話などをした。また、以前から棚田に興味があったものの、なかなか活動団体にお会いできる機会がなかった。今回、棚田ふあむの代表であるNさんに勧誘していただき、有田川のLIPにも参加させてもらうことになった。また、二次会の席ではあるお二人から貴重なお話をいただいた。話の内容は心にとどめておくが、今後、農村を考える上でためになることが聞くことができた。このように、たくさんの方々と出会えてお話しできたことはすごくいい経験になった。
 三日目。この日は天気が良く一日目と同じ作業を行った。午前中は梅の段々畑へ行き、たくさん収穫することができた。また、そこから見える白浜の海はすごくきれいで、三日目の疲れを癒してくれた。出荷を終えると少し時間があったので、笠松さんが海に連れて行ってくださった。太平洋の温暖な気候に海風がらようどよく吹き、とても気持ち良かった。お別れが近づくのを感じて少しさみしい気持らになった。
 今回のLIPをまとめると「温かさ」と「出会い」の機会であった。今までの生活で味わったことのない人や地域全体の温かさ。そして、このプログラムに参加しなければ会うことはなかった人々との出会い。この二つは、活動を終えて一週間経つが、未だに心に残っている。そして、必ず私自身を成長させるものになった。三日間という短い期間ではあったが、受け入れてくださった笠松さん、たくさんのことを教えてくださり、このような機会を設けてくださったFさんとSさん、すべての関係者の方に感謝申し上げたい。これからさらにたくさんの農業を経験して、自分の経験を増やしていきたい。次のLIPが楽しみになった。

大学3回生(M・M氏)

 今回、上秋津農村ワーキングホリデーに参加して、もう少し期間が長ければ良かったなと非常に思いました。今までに参加したワーキングホリデーは、農家さんのぉ宅に泊まって共に生活を送るというものだったので、今回のような農家さんの家に泊まらない寝食分離型のワーキングホリデーは非常に新鮮でした。農作業を終えて、秋津野ガルテンに戻りみんなで食事をとり、そこに泊まることで、毎日情報交換ができ「今日は梅の選別をした」など、農家さんによって作業内容や方法が異なることを知ることができて、勉強になりました。今までのワーキングホリデーは、期間が終わってから話していたので、今回のように期間中に学生同士で話せるのも良かったかなと思います。
 今回は木村さんのお宅でお世話になりました。龍神村にワーキングホリデーに行らた際も、梅を育てていらっしやる農家さんだったのですが、時期が10月だったので、梅を見ることはできませんでした。しかし今回、梅の収穫の時期だったので、個人的にとても嬉しかったです。主な作業内容としては、梅の収穫、梅拾い、選別作業でした。梅の収穫に行った際、木の枝が地面につくほど低い位置にあることにまず驚きました。また、梅の木も密集しているため、畑に入ると迷子になってしまい、自分がどこにいるのかもわからない状況でした。梅の収穫では、どの梅は収穫して良くて、どの梅がまだなのか、丁寧に教えていただいたのですが、黄色といってもさまざまな黄色があって、とても難しい作業でした。一つずつこれは良いのかと聞きながら、.梅の収穫をしていました。選別作業はさらに難しかったです。黄色の梅を取り除いたあと、キズの大きさや数などで分けるのですが、キズだと思って除けたものも、実はただの日焼けで問題のない梅もあって、判断が非常に難しかったです。最終的な判断は木村さんに任せていたけれど、そんな大事な工程に携わることができてとても良い経験となりました。選果作業中は、さまざまなお話を聞くことができました。収穫の際は素手で、選別するときは軍手をする。青嘩は梅酒用、キズのあるものはジュース用など、捨てることなく、すべての梅を出荷することなど、いろいろなことを教えていただきました。また、JAへの出荷だけでなく、ネット販売もやっておられて、全国に木村さんの梅を求めている人がいて、すごいなと思いました。そして、自分ですべて行っておられることに感心しました。梅拾いの作業もなかなか大変でした。枝が低い位置まであるので、腰を曲げて、かがんで木の間を進んで行かなければならないので、翌日は筋肉痛になってしまいました。
 いくら拾っても翌日にはたくさん落ちていて、このような作業を収穫の時期は、毎日行っておられる梅農家さんは本当にすごいなと思いました。拾っているときに、どこの木の下にたくさん薄らていたか覚えておくと、収穫のときの目印になると教ぇていただきました。たくさ落ちているいるということは、その木には収穫しても良、い梅がたくさんできているということです。効率的に農業をされているなと思いました。
 朝、収穫したものを午後から選別して出荷する。自分が収穫した梅が出荷されるのを見て、とても嬉しく思いました。農家さん達は1年かけてできた梅を出荷するのだから、私の喜びとは比づられないほどの喜びだと思います。そんな大事な瞬間にワーキングホリデーという形で携われたことにとても嬉しく思います。二日目、三日目と日が経つにつれて、どの梅を収穫して良いのかも、だいだいわかるようになったし、選別の基準もわかってきて作業が早く進むようになった気がしました。
 そんな、慣れてきたときにワーキングホリデーが終わってしまったのは本当に残念に思いました。今回の3日間のワーキングホリデーで終わるのではなく、これからも交流を続けていければいいなと思います。次はミカンの収穫の時期にワーキングホリデーとして来たいです。
 今回は、短い期間だったけれど、さまざまなことを知ることができ、初めての体験もたくさんあったので、とても濃い時間でした。全国で梅の産地として有名な和歌山県で、和歌山ならではの体験ができたことに大変うれしく思います。これからも、さまざまな地域に行って、いろんな農村、農業を知りたいです。

大学1回生(K・S氏)

 今回初めてWHに参加し、農村の良さや取り組みなど様々なことを学ばせていただけたし、自分の無知さも知りました。そしてなにより農村について考えるきっかけになったと思います。
 私は梅の収穫と出荷までを手伝わせていただきました。青色の梅が日に焼けて緒麗な赤色に変色していたり、昨日までは長細かった梅が熟して丸くなっていたりするのが不思議で、自然のエネルギーを感じました。それとは裏腹に雨で作業を中止しなければならなくてはいけなかったり、以前、水災害の被害があったりなど自然と向き合うことの大変さも聞きました。農業を通して、普段あまりなんとも思っていなかった自然をより密接に感じることが出来ました。
 地面にネットを張って落ちた梅が汚れにくいようにしていたり、かごを腰につけるためただの紐だと締め付けてしまいますが、ネクタイを使用して痛くないようにしたりなど様々な工夫も見受けられました。
 のどかな農村でなにもかも忘れ、無心にこんなにも梅と向き合って、作業するのはとても楽しかったです。そうはいっても、梅の収穫は地面に落ちている梅をネットで集めるため、腰をかがめながら作業しなければならずけっして楽な作業ではなかったのですが、農家さんはこうやって梅を私たちの元に届けてくれていることを、わたしが作業したのはほんの一部分ではありますが、実際に体験することで知り、農家さんに感謝しなければならないと思いました。
 私はいままでどんな過程で梅が食卓にとどいているのかまったく知らなかったので、梅の収穫にも時期があり、嘩の選果もいくつにも段階が分かれていて人の目で厳格に選別していることに驚き哀した。また、個人販売用の出荷では梅酒用、梅のシロップ用など用途に応じて分けており、梅のことをよくわかっている農家さんだからこそできる消草書側にとって良く、また農家さんにとってもお客さんの感想が聞けて良いという、生産者と消費者の距離が近い方法だと思いました。実際に自分が汗を流し収穫し、選果し、どれほど農家さんが丹精こめて育てたのかを感じて、この2日間ですっかり愛着が湧いた梅のことを少しでも食べる人に伝えていきたいと思いました。
 また、つい先日農家さんと出会ったばかりなのにこうやって一緒に作業をして、談笑していると自分も家族の一員になったかのように思えました。また、作業の休憩中に近くの農家さんが差し入れを持ってきてくださって、世間話をし、交流会でも農家さん同士仲がよい姿が印象的でした。農業は作物の性質上一定の時期にやらねばならない作業があり複数の人手が必要だったり、用水の管理をしたりなど村の人々が協力しなければならないこともあってからなのか人のつながりが深くなるのだと思いましたし、このネットワークがあるからこそ地域活性をしようとなったときに協力しあえるのだろうと思いました。都市にはない人情味あふれる雰囲気も農村ならではの魅力だと感じましたし、こうやって農村で育ったわけでも暮らしているわけでもない人が農家さんと交流できるのもまたWHのメリットだと思います。
 私は地域作りにっいての講座を受けたことがなく今回参加したので、大学で学ぶより先に直接農家さんから上秋津の地域活性化の取り組みの一部を教えてもらいました。WHに参加する前までは新聞やテレビで農家の後継者不足やTPP交渉などの問題を耳にし、あまり日本の農村の将来に対する明るいイメージを持っていませんでした。しかし、上秋津に入ってみると予想を超えた農家さんの新しいことへの意欲や自発的な行動に驚きました。例えば、JAを利用しないで生産者の顔が消費者にわかるネットや直売所で販売する方法をとっていたり、農家のお母さんたちの手作りの小物を地元のカフェで販売したりなど。中でもわたしが一番驚いたのは、秋津野ガルテンを作るために農家さんたらが各地の農村の取り組みを視察し、市の職員にも理解してもらえるよう動き、そしてガルテンを農家さんたち自身で運営していることです。活性化のカギは道の駅などのように外部の人が地域に入らないやり方ではな.く、ガルテンで実施している農業体験や地産地消料理をその地域で味わつてもらう取り組みであったり、直売所や居心地の良いカフェを広報するなど、実際に地域に人を呼び込み、その地域でお金をまわす仕組みなのだと教わり、勉強になりました。こうやって直接お話を聞けたのも貴重な機会でしたし、私もなにか農村に貢献したいと思いました。

大学3回生(R・N氏)

ワーキングホリデー 梅拾い 今回の二泊三日のワーキングホリデーは、作業としては今まで参加してきたワーキングホリデーの中でも、個人的′なしんどさランキング上位に入るものでした。梅の収穫は初めての体験でした。黄色くなり始めているもの、大きいもの、少し傷があるもの、最初は全部同・じように見え、どれをとってよいかさっぱりわからなかったのですが、3日間を通して少しは見極めができるまでに成長できたと思います。
 そして一番難しかったのが、脚立の使い方です。毎日の生活の中で脚立に上ることはめったになく、上ることを最初はためらっていました。しかし、大きな実は太陽の光を浴びている上のほうにあると教えてもらい、少しずつ脚立を使いながら収穫をしていたのですが、いざ脚立を安定させて上ってみると自分が予想していた場所に届かず、逆に枝と近すぎて作業しづらいなど、なかなか使いこなせませんでした。
 アドバイスをいただいたり、無理はするなと心配してくださったり、プロと素人は全然違うと、受け入れ農家の原さんや手伝いにきていた方の動きを見て思いました。
 しかし三日目ともなると、高いところに上る恐怖心は少なくなり脚立の一番上まで使えるようになりました。私が育ててきたわけではないのに、大きくて立派な梅を見つけて収穫できると、とても嬉しい気持らになりました。二日目の地面に落らている梅を拾い、地面のネット上をきれいにする作業では、黙々と梅を拾いました。
 私には果てしなく広がる畑に感じられ、それが5つあると言われたときは言葉になりませんでしたが、4人で協力して作業を行い、すべての畑の作業を終えたときの達成感と、「助かったよ」という一言がとてもうれしかったです。
 一日目は選果後、農協への出荷作業にもついて行かせていただきました。収穫して、店に並ぶまでの流通の部分というのが今まではあまり見えていない部分だったので興味深かったです。今回はまだ梅繁忙期の直前ということで、量もそこまであったわけではありませんが、農協の出荷の時間は決められているなど、選果から出荷にかけては時間の勝負だと思いました。一年間の農作業のほんの一部を手伝わせていただいたわけですが、収穫という農作業における一年の集大成の時期に関わることができるのはとてもありがたいことだと思いました。
 交流会では、同じ梅農家でも様々な農家さんがいるということがわかりました。自己紹介の時に、それぞれどのような活動をしてきたか、の内容を聞いて収穫という仕事は同じでもどのような色や種類の梅を収穫するかは皆同じではなく、収穫する場所の条件や広さも異なっているのということがわかりました。どこにどれだけ出荷するか、梅とみかんはどれくらいの割合で育てるかなど農家によって考え方は様々であって、その考えるということも農業のひとつの面白さなのではないかと思います。また作業中には忙しくて話せないことも交流会の中でたくさんお話を聞くことができたと思います。熱心に上秋津の地域のことや農業のことを考えているということがとても伝わってきました。授業やゼミの活動の中で、地域の再生とは何か、何をすべきかいろいろ考えてきましたが、まず地域のことを熱心に考える人がいなければ何も始まらないのではないかと思いました。地域再生の手法は様々あると思いますが、考え、そして意見を言い合う場があって、そこから地域全体の活動を行っていくことが必要なのではないかと考えます。
 この≡日間はもらろん仕事ばかりでなく、受け入れ農家の皆さんとお話しできたのも楽しかったです。初日Iま小・中学生の娘さん達に挨拶をしても少しよそよそしい感じだったのですが、ある時を境に、水遊びやゲームに混ぜてくれるなど、受け入れ農家の家族の皆さんとの交流というのもワーキングホリデーの魅力だと思います。また、お昼ご飯もとても美味しくて、午前中でかなり疲れていてもまた午後から頑張ろうという気持になりました。最終日は作業後からバスの時間まで、原さんが由辺を案内してくださいました。かき氷と、海の景色は疲れていた私を癒してくれました。田辺の魅力をたくさん知ることができましたし、とても楽しかったです。
 今回の農村ワーキングホリデーはどららかというと、交流より仕事がメインだったように思えますが、少しでも労働力として受け入れてもらえることはありがたいことだと私は思います。私たら学生向けに用意して下さっている部分もあるのかもしれないですが、単なる体験だけの農作業ではなく本来の農家の仕事にまざることができるからです。そこで改めて、ほんの一部ではありますが農業を行うことの難しさや、農家の方々の努力を感じ、そして面白さも知ることができたと思います。
 梅の収穫・梅拾い・選果・出荷とたくさんの梅を見ているとワーキングホリデー期間中と最終日、家に帰っても目を閉じると梅の映像が浮かんできました。どれほどの力になれたかはわかりませんが、3日間を通して本当に貴重な経験ができました。ありがとうございました。

大学3回生(S・K氏)

 今回の上秋津農村ワーキングホリデーは私にとって初めてのワーキングホリデーでした。周りは何度か経験したことのある人も多くて、はじめは私もみんなとおなじようにやっていけるのか、とても心配でした。しかし、この3日間を通して大きく成長できたと自分でも感じます。今回は梅の収穫時期の忙しいときに農家さんたちにお世話になり、経験や交流だけではだめで、きちんと作業の戦力にならなければいけないと思い、不安もたく牢んありました。今までも農山村で暮らしてきた私は、小中学校・高校と何度もなにかしらの農作業は経験してきたつもりでした。
しかし、やはり今までの経験というのとは比べものにならないほど、1日中農作業することの大変さをとても感じました。
 朝早くからさっそく作業が始まり、何度か休憩をはさみましたが、それがなければ本当に体力が持たなくなってしまいそうなほどでした。また、梅の木というのは背が高いだけでなく、地面すれすれの低いところまで枝がなっていて、脚立に乗っての上の方の実を摘む作業から、腰をかがめて姿垂を低くして下に落ちた実を拾う作業まで、全身をくまなく使って収穫するので最終日には筋肉痛とも戦いながらの作業となりました。これほど大変な作業を経験させていただきましたが、振り返ってみると私の思い出のなかには楽しい記憶ばかりで、つらい・しんどいという気持らはありませんでした。
 受け入れ農家の原さんがおっしやつた「農作業というのは1年を通して行うもので、農家はそのなかでいろいろな思いをもって育てている。簡単にしんどいなど言ってほしくない。」という言葉の意味がよくわかった気がしました。私はたった3日間しか農作業を経験していません。しかし、この3日間だけでも、収穫から選果、出荷作業までの中でたくさんの感動や達成感を味わうことができました。また、きれいな実を発見したときや、朝自分が摘んだ梅が出荷されたとき、農家さん方と「今年は美しい実が多いね」というお話をしていたときなどに、とてもうれしい気持らになりました。こういうことが、農家さんの幸せであり、どんなに厳しい作業の中でもどんなときも笑顔で楽しそうにしておられるのだと感じることができました。
 作業中や交流会の中で、たくさんのお話を聞くことができ、どの農家さんにも共通していたことは、自分の仕事に誇りを持っておられたということです。上秋津の人たらは「身の丈主義」だということで、どんなにおいしい話があっても自分の納得する方を選ぶ、いままで求めてくれていた人たらの笑顔がある方を選ぶ、とおっしやつていてその気持らにとても心を打たれました。本当に上秋津は素敵な人ばかりで、受け入れ農家さんの原さんの奥さまや子どもたらとも親しくなれたことがとても嬉しいです。田辺市に、上秋津に次来るときは、必ず原さんのお宅にまた伺いたいなと思えるような、本当に田辺市に第二の家族ができたような気持らになりました。
3日間の作業を通して、また作業後に連れて行つていただいた田辺市のプチ観光を通してこ田辺市には人もモノも魅力あふれるものしかなく、その地でワーキングホリデーとして受け入れてもらえたことを本当にうれしく思います0たくさんの経験ができ、本当に学べることばかりで、メリハt」のなかった自分の大学生活にとてもいい刺激になりました。原さん、上秋津の方々、本当にありがとうございました。

大学4回生(R・S氏)

 
私は今回上秋津農村ワーキングホリデーに参加し、主に二つのことが特に印象に 残ったと同時に学ぶことが出来ました。まず一つ目に、今回梅の収穫や、梅拾いを 初めて経験し、想像以上に大変な作業であるということを身をもって経験すること ができたことです。私がウーホリに参加する前に想像していた梅の収穫というのは、 テレビCMであるような爽やかなものだったのですが、実際に作業をしてみてすぐ にその爽やかな考えが甘かったことに気付きました。
 6・7月の梅の繁忙期では、 台風や地震が来ても梅を拾うと高垣さんが仰っていたのが、とても印象的でした。 普通の日でも、高い気温や低姿勢での作業にとても体力を使うのに、台風や地震で の作業は命がけであると思いました。どんな天候や自然現象でも、梅の収穫期には 必ず収穫をしなければならないということがどれほど大変なことである机想像し ただけでも心が折れそうです。また、高垣さんが段ボール箱に入った梅を指してこ の梅は何円になると思うと尋ねられ、本当の値段よりもかなり低い値段を言ってし まいました。でも、梅の収穫や梅拾いをする前では箱の中に入っている梅の実際の 値段を聞いて高いと思ってしまったと思うけど、実際に梅の収穫や梅拾いを経験し、 この値段は逆に安いのかなと思いました。
 今回のワーホリに参加していなかったら、梅が商品となるまでにどのような過程 を辿ってきたのか知ることもなく生活していたと思います。梅に限らずどんな農作 物にも、それが商品として売られるまでに、農家さんの多くの手間がかけられてい ることを実感することが出来ました。何事もやってみないと分からないし、やって みずメディアで見たり聞いたりしていることだけでは足りないことがあるという ことを、このウーホリを通じて感じることが出来ました。そして、どんな農作物で もそれが、商品となるまでの裏側を知ることで、今まで当たり前に食べていた物に 感謝出来たり、いつもよりも味わって食べることが出来ました。
 二つ目に、様々な農家さんのスタイルがあるということを今回のウーホリを通じ て感じることが出来ました。今の時代に農業で生計を立てていくことの難しさ、そ して農業のビジネスの形をインターネット等が普及する現代に合わせて変化させ ていくことの面白さを、高垣さんとの様々な会話の中で知ることが出来ました。高 垣さんとは農業を取り巻く環境についてや、政治の話から、大学生活の他愛の無い 詰まで、沢山の濃いお話をすることが出来ました。その会話の中で、私は来年から 社会人になるのですが、どのような職業でも自分でよく考えて自分で行動していか なければいけないと思いました。短い問でしたが、高垣さんからは沢山のパワーと 自分で考えていくことの大事さを教えていただきました。
 今回のワーホリでは、梅拾いや収穫といった農作業を少しの間でしたが手伝わせて 頂いて、本当に体力のいる地道な作業ということを知ることが出来たと同時に、農 家さんといろいろなお話をする時間がとても楽しかったです。  今回の田辺ワーホリに参加して、私が体験したのは梅農家さんのほんの一部にす ぎないですが、それでも農業や自分のこれからの生き方を考えさせられるとても濃 くて充実した日々になりました。農業の後継者不足や高齢化といった農業を取り巻く問題は様々ありますが、まずはもっといろんな方に農村ワーキングホリデーを知 ってもらい、どのような理由でもいいし、理由がなくてもいいので参加してみて欲 しいと思いました。そこで、実際に自分が感じたことは表当の事で、普段の生活で は当たり前に思えていたものが当たり前じやなかったのだと気づき、そういった小 さな変化が、これからの農業を取り巻く環境を変える小さなきっかけになるのでは ないかと思いました。

大学3回生(M・I氏)

 休憩も入れつつずっと梅を拾っていたわけですが、なかなかの大変な作業だなと感 じました。最初のうらはぴんぴんしていましたが、白も重ねる中で疲労もたまってい きWHが終わった数日は疲労感をどっと感じていました。大変な仕事なのだなと身 を以て体感できました。今回関わらせていただいた泉さんの梅の土地は広大でした。 毎日のようにたくさん薄らる梅を、毎日家族で、拾い、選別して作業してらっしやる とはすごいなと思いました。家族の団結がないとできないことだなと同時に思いまし た。自営業とかではない限り、自分の家でもそうですが、親が一体どんな仕事をして いるかとかはわかりません。農業は毎日のように育てる必要があるので、なかなか家 族で家を離れてということはできないし、毎日仕事をして大変だろうと思います。親 の仕事もどんなのか知っていて、近すぎ畠のかもしれないけれど、書からの本来の家 族のあり方ってそんな感じだったのではないかなと少し思いました。
 大変な農業ですが、「えらいな」と同時に思いました。一年を通して6月の梅収穫 に向けて、地掃えをして、枝の努定をして実がよくつくようにし、梅・下草からの保 護のために地にネットを張ったり、同じ品種であると良い実ができにくいことから違 う品種の樹を植えたり、集大成となる収穫の時期まで、頭を使い、体を使い、また次 の一年に向けて動き出す。自然環境を相手にする農業は大変でもあり、やりがいを感 じる生業だなと思いました。こういうことを知ると、消費側主導の今の流通構造はよ くないと感じるし、日本人としては今こそ農に思いを馳せることが必要であると思い ました。分業の話はまた別のらとかもしれないですが、安易に分業の効率だけ追い求 めては危ないです。頭の中で整理しきれていないため、うまく言い表せていませんが、 そんな気づきが持てました。いい経験になりました。
 梅干しもあまり買ったことがなく、ましてや青梅も初めて手にしました。そして初 めて梅酒につけました。売り場にならんでいる作物、加工品には、見えないけれど、 ひとつひとつが売り場にたどりつくまでに大きな手がかかって、集まってきている。 売り場では生産・流通の過痙を感じられず、削除されているのはなんだかすごくもっ たいない。農家ごとにも作業が違うということは、他の人に聞く中でわかりました。 もっといろんな人が農業だけでなく、生産・流通の現場を感じるべきだと思います。普段は農よりも森林地域に出かけることが多く、農業はほとんど感じたことはあり ませんでした。交流会では、農も林も関わりがあるとお話をきいて、全く別のことで はないのだなと知りました。つながりは知ってい尋ようで、多分気づいていないので 、 今後、その点意識を高めて本を読んだり、現場で感じたりしてみたいと思います。  梅拾い作業のなかでお詰もたくさんしました。受け入れてくださった泉さんのお話 をたくさん聞けて良かったです。泊業分離型のワーキングホリデーでしたが、作業手 伝いだけではなく、お話を通して交流できたこともよかったです。人の話を聞くこと で自分を振り返るきっかけにもなります。人生の肥やしにしていきたいと思います。
 ワーキングホリデー中はごはんが普段よりも特別でした。一人暮らしであると「孤 食」が多いので、一緒に食べる人がいることはいいことだなと感じました。それに、 ごはんもおいしく、幸せでした。自分で作る時は自分の分だけ作ればいいので、品数 も少なく使う材料も少ない料理になってしまいます。忙しい時は食べない時があった りもします。食事も気をつかっていきたいなとも思いました。
 ワーキングホリデー中にダニにかまれたみたいです。長靴とズボンの隙間が空いているためかやられました。道具選びにも気を使っていきたいです。また、ズボンがひどく汚れました。洗濯機で洗っても落ちません。泥汚れが洗っても落らないと悩むお 母さんの気持ちがわかりました。小さい時は泥だらけになって遊ぶときがなく、母を困らせることもあまりなかったと記憶しています。今の自分のほうがいい意味でわん ばくで生き生きしているのではないかと思っています。また、作業中に何度も枝に頭 をぶつけてしまいました。実のなる大切な枝に何度もぶつけてしまったことは本当に 申し訳ないと反省をすべき点でした。ヒヤリ・ハットが大事故につながるので、今後 は周囲をみて薄ら着いて、行動をしていこうと思います。
 最終日の最後に、高尾山に連れて行っていただきました。高尾山から見える田辺湾 の景色はとてもきれいでした。田辺湾もいいのですが、秋津野も見渡せ、素敵な場所 でした。7合目からは区有林だそぅで、地区に重要なものがでてきたときは、林産物 を売ったりして、区の財産にしていたそうです。まさに地区のみんなの財産だと感じ ました。また、小学生の間伐の作業体験の場になったりするそうです。小さい時から そのような経験ができることがとてもいいなと思います。秋津野は、地域住民が地域 のために動いている地域なのだなと知ることができて、ますますいい地域だと思いま した。また、車に乗る人同士があいさつをしてすれ違う光景も印象的でした。都会住まいではまずありえないことです。そういう面も含めて顔が見える関係ができている 地域は素晴らしいと思いました。いい経験になりました。最後に、秋津野でのワーキングホリデーに参加させていただき本当によかったです。 ゼミナールで勉強していることを実地で感じる場にもなりますし、これからもっと知 っていかないといけないことがたくさんあると知る場にもなります。知識だけでなく、 自分のこれからや生活も振り返ることができました。前日入りを含めると4日間で したが、ここまで得られるものがあるの か!と思えました。日本の「新しい観光 のかたら」とはまさにこういうことかと 1週間経った今感じています。このよう な経験をさせていただいた、みなさんに 本当に感謝です。ありがとうございまし た。先輩のIさんも本当にお疲れ様で した。最初から最後までお疲れ様で した。

大学博士課程後期1年(C・C氏)

 私は初めてのWHだったので農村・農業の大変さは聞いていただけで、直接 に体験したことはありませんでした。だが、今回の2泊3日の上秋津WHを通じ て農業の大変さがわかる機会となりました。また、収穫するものによって管理 の方法、出荷の方法が全部違うことを初めて知りましたし、ただ天気がよけれ ば、農業の作業がしやすいと思った私の考え方は間違っていたことがわかりま した。
 私が主にした作業は梅やバレンシアオレンジの収穫と選別、そして出荷する ことでした。
 始めて梅を収穫した1日目は雨が降り、私は梅の収穫をする時に視野の確保 ができなくて苦労しました。だが、農家にとって本当に苦労しているのは梅を 乾かすことでした。梅を選別して出荷するためには乾かさなければならないの で、時間がかかります。しかも、梅はその日に収穫して、その日に出荷しなけ れば価値が薄らますので、乾かす時間も考えて収穫する必要がありました。そ して、JAに出荷する農家は時間の制限がありますので、その時間に合わせな ければなりません。私は単純に農家の仕事は農作物を収穫して、出荷するだけ だと思っていたことが、本当に恥ずかしかったです。もらろん、農家の収穫期 の主な仕事は収穫し、出荷するということで変わりはありません。ただ、私が 想像したほど単純な作業ではなく、全部計算して計画的に行わなければならな いということを知りました。それは翌日にバレンシアオレンジを収穫する時も 同じでした。バレンシアオレンジは7月が最も美味しいので7月に収穫をしま す。しかし、美味しくなる時期になったら、イノシシが降りてきてバレンシア オレンジを食べてしまいます。なので、JAが休む日を利用してバレンシアオ レンジを収穫しました(日曜日に市場が休むためJAは土曜日に休みになってい ます)。それは、イノシシによる被害の対策として行っていることです。また、 バレンシアオレンジは外が緑の紙に包まれていました。それは葉っぱと同じ色 で、意識して見ない限りはバレンシアオレンジと思えなくするもので、カラス に対する対応策でした。バレンシアオレンジが葉っぱと同じ色の紙で全部包ま れていることを見て農家はどれくらいイノシシやカラスの被害に対策を立てて いるかを感じることになりました。
 次に感じたことは消費者を考えることでした。私が行った農家はJAの出荷 を含めて3カ所に出荷をしていました。それはJA、きてら、白浜の直売所で した。梅の場合、JAに出荷する時は傷の可否により、品質を分けて出荷する ことになっています。きてらには青梅の出荷はしないです。また、白浜の直売 所には傷があるもので値段を安くして販売していました。またそれはただ傷が あるものだけ別に販売するのではなくて、傷がなくて少し大きな梅も混ぜてお いて消費者に満足してもらう事も考えました。それは、農家が消費者を考えて することでしたが、結局は購入をした消費者の再購入を誘導するマーケテイン グにもなるということで驚きました。
 最後に、私はWHに参加する前には単純に天気がよければ作業しやすいと思 いました。なので、3日目には雨が全然降らずに良い天気であったので、今日 は絶対に作業しやすいと思いました。だが、そうではなかったです。本当に暑 くて梅を収穫するのは大変でした。そして、そのように暑い時は収穫するのが 大変なので、朝早く始めて昼は選別や休憩を取り、また昼を過ぎて作業をする と聞き、農村の朝が早いということが理解できました。私は三日間の作業だけ でも大変と思っていましたが、農家の人はそれを毎日するんだと思ったら、私 が食べている食材は本当に大事なものというのを新たに感じられました。
 農家は農作物の栽培において単純に収穫して出荷するのではなく、きらんと 計画を立て、農作物の特徴に合わして時間の管理、品質の管理、農作物の保護 を行っており、農家の人たらの体力の管理も行っています。私が三日間の体験 でも農家は様々な計画によって動いていると感じたほど、農家はその計画を1 年事に立て実行しています。そして、その計画に従って行うことで、一年後の 収穫の質や量が全く違うと思いました。
 それで、私もその計画性を学び、これからの生活にも少し長い計画を立て、 きらんとそれ通りに行いながら生活をしたらその先にある結果は違うし、私が 望んだ結果になるのではないかと思いました。
 農村の大切さ、苦労さを再び感じることができたし、これからの私の生活に も変化を持たしてくれた今回のWHは私にとって本当に大切な経験になり、企 画してくれた人々に感謝しています。ありがとうございました。

大学3回生(M・C氏)

 梅の収穫は初めての体験で、はじめは手で取るのか道具を使うのかさえ知らない 状態でした。梅とりの作業を最初に始めたとき、少し雨が降っていたので雨ガッパ をきて作業に取り掛かったのですがこんなにも中がむれて熱くなるものだとは知 りませんでした。しかし雨だからといって止むのを待っているわけにはいきません。 自分の両親も含め農家さんはこれを体験ではなく仕事としてやっているというこ とにただただ凄いと衝撃を受けました。見ているだけではわからない、知ることが 出来ないということをさっそく実感しました。
 収穫の後の選果に入ったとき、この後農協に出荷される梅の選別を自分が担って も大丈夫なのか少し不安に思いました。家業のみかんの選果を手伝ったことがある とは言え最後には親が判別するので自分には最終責任がない状態だったからです。 小谷さんに、これは一番ダメなものでジュース、これぐらいなら…と教えていた だき、いざ選果に挑戦してみましたが、個数を重ねるうらにこれはジュースか優な のかその境がだんだん分からなくなっていきました。ジュースと優を分けた後にも う一度それぞれためたコンテナをひっくり返して再選果したのですが、自分が優と 判別したもののなかに結構な数のジュースが入り込んでいたようで取り除かれて いく様を見ていると、なんだか恥ずかしくなり、まだ自分は作業をしっかりこなせ てはいないのだなあと少し落ち込みました。
 また、ただ単に傷が付いているからジュースだとコンテナに放りこむのではなく、 ぶつけてしまったり、擦ってしまったからできた傷だと傷の理由を教えていただい てからは、自分が収穫するときのちょっとした動作が秀品を優品に落としてしまっ てはいないかと、先ほどまでの自分の仕事を振り返るようになりました。また茶色 くなってしまっている梅は気付きやすいのですが、1か所小さく丸くまわりの色よ り濃い緑色になっている梅もジュースだというのが不思議に思ったのですが、それ がカメムシに吸われた痕だと知り少し驚きました。私の中でカメムシは嫌なにおい を放つ虫でそれが果実に具体的にどのような悪影響を及ぼすか知らず、意識したこ ともありませんでした。梅のことについて知ることは梅だけではなくそれにかかわ る様々なことを知ることにもつながるのだと知りました。
 午前中の作業を終えて、小谷さんの奥さんの京子さんが作ってくれた昼食を頂い たのですが、おかずが沢山あり色もとりどりで大変おいしかったです。大学生活で 一人暮らしをしている人は普段一人で食べるので、ご飯を囲んでみんなで談笑しな がらたべるのは久しぶりで楽しいという感想をもつのだと思いますが、では実家か ら通っている自分はそうではないのかと考えてみると、朝は早く家を出て夜は遅く に帰ってくる自分も家族で談笑しながらご飯を食べるということが最近できてい ないではないかと気づきました。同じ家に家族と住んでいても機会を設けなければ 会話は出来ません。みんなで食卓を囲むというのはこんなにもゆったりとした空間 を共有することができる大切な時間なのだと再認識することが出来ました。
 二日目にバレンシアの色を保つために被せる袋のサイズ分けを行ったのですが、 はじめは微妙なサイズの違いに袋同士を照らし合わせながら分けていたのですが、 慣れてくると瞬間的に判別できるようになりそれに伴って作業も早く進んだので、 この仕事では人手という面で力になれたのではないかと達成感を感じました。袋を分けているときにいくつかペンで印が書き込まれているものがありました。理由を 尋ねるとこれは美味しくできたバレンシアだ、という印だそうです。それを聞いて この袋は昨年、又は一昨年とりわけ美味しい実を包んでいて、今度はまた来年、再 来年も違うバレンシアを包むために今整理整頓していると思うと、作物を育てるこ とは今年だけではなくて去年、来年のことも考えて回しているものなのだと実感し ました。
 今回のワーキングホリデー中の交流会のように、自分よりこまわりも三まわりも 年上のそれも大勢の方と夕食をともにしたのは初めてですごく緊張しました。人前 で喋るのは最近機会が多く前より慣れたかなと思っていましたが、やはりとても緊 張しました。みなさん時折冗談も交えながらお話をされていて自分も楽しく喋れる ようになりたいと思いました。そのためには沢山の方のお話するところを見て聞い て参考にしながら、場数を踏んでなれることをしなくてはいけないと思いました。
 私は今回が初めてのワーキングホリデーで現地に行くまではしっかりやれるか とても不安でした。しかし小谷さんご夫婦のお宅に向かいお二人とはじめのあいさ つを交わし迎えていただいてからは、もう気づけば目の前の作業に集中していたり、 他愛もないお喋りでゆっくりした時間を過ごしていたりしました。行く前の不安や、 初めてのことの驚きや楽しみというのは、初めてのワーキングホリデーだからこそ 感じられたことも沢山あると思います。それを忘れずにまたこれから活動に励んで いきたいと思いました。

大学2回生(T・H氏)

 今回のワーキングホリデーを体験する前から私は農家というものに対して「農家 は他の者が入ることをよく思っていない」という考えを持っていました。それは、 地元の農家さんが他府県から来た人にいろいろ献身的に農業を教えているという 姿を見たことがなかったからです。金曜日に行われた交流会で秋津野ガルテンのI上さんに私の考えを話しました。すると、井上さんは自慢そうに「明日からの農業 を通して今の考えがどれだけ変わるか楽しみだな」と言われてその時はまだその意 味が分からずにいました。
 実際に青梅農家の小谷さんにお世話になり、土・日曜日と農業を通して感じたの は、農家さんの地元に対する絶対的な誇りと自信でした。まず、農作業の合間に何 度か小谷さんとお話ししてなぜ受入農家になったのかを聞きました。小谷さんは、 農家を通じて農家をすることの楽しさやこの場所がいいなと感じささいなきっか けの架け橋になればいいなと思い受入農家になったというのを聞きました。また交流会 で同じく受入農家の木村さんのお話を聞いているうちにただ農作業をするのではなくて農家というひとつのコミュニティに対して何らかを感じ取ってほしい ということを常におっしやっていました。
 私は約2日半、農作業で言えば約2日の体験を通して地域に住む人がこれだけ地 元に自信や誇りをもてるというのは本当に素晴らしいなと感じました。最初I さんに言われた意味がわかったような気がします。こんなにひとりひとりが自信を もてていて、なおかつ他の農家に対してもこんなに思いあえるからこそその素晴ら しさを周りの人にも感じてほしいと思えるのだなと思いました。毎日観光学部の授 業を受けていて「地域の人が地元をアピールすることが必要」というのをよく言わ れるがまさにこのことなんじやないかなと私は感じました。地域の素晴らしさは地 元の人が伝えるからこそ伝わる物であり、それが今回の約2日半で農家さんをとお して感じることができて本当によかったです。毎日大学内で授棄を受けていてもわ かりきらないことがわかる、このワーキ ングホリデーの良さを身をもって感じ ることができよかっ、たです。私の地元も 余裕がないだけでやはり話をしてみる と良いところだなっていってくれます。 そのいいところというのをもっと周りにアピールすることが観光学部生の私 に出来ることなのじやないかなと考え ました。本当に貴重な2日半でした。





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